撮影手記 Photo Note

Jan 2012 / Red Fox

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12年1月 アカギツネ

 僕が動物を撮るのに、最近愛用しているのがEOS-7Dというカメラ。1秒間に8コマの高速連写というのが売りのひとつ。1コマあたり25メガバイトもの情報量を、秒間8コマも記録させるのだ。それをプロ用ではなく普及機の値段で売るのだから、そこんとこ評価してくれというメーカーの言い分もわかる。
 僕の動物写真の出発点はニホンカモシカで、次がマウンテンゴート。どちらも高速連写とは無縁。ブレ防止に、三脚固定でセルフタイマーだって使えちゃう。だからカメラにモータードライブが内蔵される時代になっても、シングル撮影がほとんどだった。
 それでもプロになって、どうしてもプロ用カメラというものを欲しくなって、EOS-1N-HSを買ったことがある。秒間6コマのモータードライブ内臓は、15年前としてはかなり強力で、重さも筋トレものだった。
 いざ使ってみると確かに連写は早いが、動物のアクションに反応してシャッターを切ると、ほとんどの場合1コマ目がベストカットになるので、僕の使用法ではそれほど有用ではなかった。基本的に貧乏性カメラマンには、フィルム消費が気になって連写には消極的だったとも言える。
 さて本題に戻ろう。ようやく7Dの高速連写を試す時がやってきた。雪原を歩いていたアカギツネが、ネズミか何かを見つけた。立ち止まって雪面の一点を凝視し、首をわずかに動かす。両耳だけで、見えない獲物の位置を特定しているのだ。
 やがて四肢を縮めて、ジャンプ直前の姿勢に。「これから跳びますよ。準備はいいですか?」と訊いてくれるようなものだから、カメラマンにはたいへん好意的な動物である。僕はフォーカスロックのまま、その瞬間を待った。
 跳んだ。キツネが宙に舞い、短い放物線を描く間、シャッター音が軽やかに刻まれる。
 キツネは体の3分の2ほどを雪に埋めたが、すぐに雪から身を出して、さっと一振り雪を払う。獲物は逃した。
 結果を見ると、1コマ目はすでにジャンプしたキツネの最高点で、その他に2コマが宙に浮いていた。高速連写の威力はさすがだが、前半半分は撮れていないわけだから、課題は被写体のアクションに対し、いかにすばやく指先を反応させるかだ。暇なときはハーモニカなんか鳴らしていないで、ゲームで早押しの練習をした方がいいかもしれない。

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